会社破産/従業員/未払い賃金と未払賃金立替払制度

従業員の賃金(給料と退職金)が未払いのまま会社が破産した場合、破産財団の形成の有無によってその後の対応は以下に分かれます。


※「破産財団」とは、破産会社が破産手続開始決定時において有する一切の財産です。例えば、会社が自己破産の申立をすると、その日~1週間後以内に破産手続開始決定が出されますが、その時点で会社が有している財産(現金・預貯金・不動産・生命保険・車・売掛債権など全て)です。この破産財団が形成されるかは(中小零細規模の)会社によっても様々で、財産は一切ないという会社から、数百万・数千万円が残るという会社もあります。従業員が数名で未払い賃金が数ヶ月だけであれば、数百万円の破産財団が形成されれば、そこから従業員は未払い賃金がもらえます。


<破産財団が十分に形成される場合>
破産手続開始決定前3か月分の従業員の未払給料、退職前3か月間の給料の総額に相当する額の退職金は、「財団債権」として、一般の破産債権に対する配当手続を待たずに(優先的に)、破産管財人によって随時弁済されます。
それ以外の未払給料(開始決定の3か月前より以前の給料など)や退職金のうち給料3か月分を超える部分は「優先的破産債権」となり、他の「財団債権」(税金など)の弁済後に配当手続によって配当されます。


<破産財団がほとんどない場合>
破産財団からは未払い賃金を受け取れない場合、一定の条件を満たせば、従業員は未払い分の(最大)80%を労働者健康福祉機構(厚生労働省所管の独立行政法人)から立替払いを受けることができます。

未払賃金立替払制度は従業員にとって非常に重要な制度ですので、条件などについて以下説明します。

(1) 条件
・会社が労災保険適用事業で1年以上事業活動を行ってきた場合
※労災保険適用事業:労働者を一人でも使用する事業はほぼ全てこれに当たります。
・未払い賃金(給料と退職金)が2万円以上であること
・従業員が、会社の破産申立6ヶ月前の日を起算点としてその後2年以内にその会社を退職したこと


(2) 対象となる未払い賃金
(a) 賃金(給料と退職金)です。いずれも、退職日の6ヶ月前の日から立替払い請求日前日までの間に支払時期が到来しているものに限られます。

※税金や社会保険料などが控除される前の金額で、いわゆる額面の給与額が基準となります。仮に会社が労災保険加入手続きをとっていなかったり、保険料を納付していなかったりする場合でも従業員は未払賃金立替払制度を利用できます。

※退職金については、小さな会社のなかには退職金制度がない会社もあります。その場合は給料のみの立替払いを受けることができ、退職金については対象となりません。ただ、会社に退職金に関する正規の規定がなくとも、事実上それまでの退職者には必ず退職金を支払ってきたという事実がある場合は退職金制度があるとみなされる場合があります。

※賞与(ボーナス)、解雇予告手当、社宅費、年末調整による所得税の還付金、解雇一時金、役員の報酬・退職金・賞与などは対象となりません。

(b) 未払い分の(最大)80%の立替払いを受けることができます。

但し、立替払いは、以下のように年令によって限度額が決まれられています。

退職時の年令    立替払いの上限額
30才未満       88万円
30才以上~45才未満 176万円
45才以上      296万円

具体例
・33才で未払い賃金の総額が200万円の場合
:200万円×80%=160万円の立替払いを受けることができます。

・50才で未払い賃金の総額が500万円の場合
:限度額が370万円のため、370万円×80%=296万円の立替払いのみ受けることができます。


(3) 手続き
従業員は、未払賃金の額等について、破産管財人による証明を受けたうえで、労働者健康福祉機構に立替払の請求を行います。ただ、この請求は破産手続開始決定日から2年以内に行う必要があります。
※請求から約1ヶ月後に振り込まれます。


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2012.11.28 | | ■会社の自己破産

会社破産/従業員/解雇予告手当

従業員を解雇する場合、「解雇の30日前までに解雇の通知(解雇予告)」をしなければなりません。これは、従業員が次の仕事を探すために必要な期間として労働基準法が定めているものです。

30日前までに予告できなかった場合、30日に足りない日数分の賃金(給料)を支払う必要があります。

<解雇予告手当の金額計算>
解雇予告手当て=平均賃金×(30日-解雇予告期間)

※起算日:解雇予告日の翌日


<具体例>
解雇予告が解雇日の30日以上前の場合 解雇予告手当は不要
解雇予告が解雇日の10日前の場合 解雇予告手当20日分
解雇予告が解雇日(即日解雇)の場合 解雇予告手当30日分

※原則としてパート・アルバイト・派遣社員でも解雇予告手当を支払う必要があります。


会社が自己破産する場合で、従業員も会社の経営難をよく知っていて会社の自己破産を予期しているような場合は、経営者の方から従業員に事情を説明して解雇予告をしておく方が、次の仕事探しなどを含めた従業員の今後の生活にとってもよいでしょう。

解雇の30日以上前に解雇予告ができず解雇予告手当が発生した場合(例えば即日解雇で丸々30日分の解雇予告手当を支払う必要がある場合)で、会社が従業員にその解雇予告手当を支払うお金がない経営状態の場合、仮に「1ヶ月分の給料相当分なら全員に払える」という状態であれば、賃金(給料)ではなく解雇予告手当を優先して払うのが従業員のためになります。
なぜなら、次回に書きますように、未払い賃金は「未払賃金立替払制度」によって労働者健康福祉機構(厚生労働省所管の独立行政法人)から最大で未払い賃金の80%の立替払いを受けることができますが、同制度では解雇予告手当分は立替払いを受けることができないからです。


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2012.11.21 | | ■会社の自己破産

金融業NISグループが破産手続き(民事再生手続きを廃止)

愛媛県松山市創業の金融業NISグループが、11月1日に再生手続き廃止決定を受け、今後は破産手続きへ移行する見通し。負債は約508億2300万円。

2012.11.15 | | ■倒産ニュース

会社破産/従業員/解雇

会社が自己破産するとなった場合、経営者の方が最も心配されるのが従業員のことでしょう。

結論から言いますと、従業員は全員が解雇となります。
(会社の一部が事業譲渡されるような場合を除いて)

残念ですが、会社の自己破産では会社自体が消滅しますので仕方がありません。

会社の自己破産に際して、それが従業員にとって予期していなかったような場合、従業員は未払い賃金や今後の生活のことを心配して哀しみや経営者に対する怒りを抱くことがありますが、これまでずっと懸命に会社のために働いてきてくれた従業員に対しては誠実に対応することが肝要です。


会社の自己破産において従業員に関する重要な5つの制度について、次回以降で説明します。

1.解雇予告手当
2.未払い賃金・未払い退職金と未払賃金立替払制度
3.失業保険
4.健康保険
5.年金


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2012.11.14 | | ■会社の自己破産

会社破産/弁護士に依頼するメリットは? 3

3.司法書士に会社破産を依頼する場合との違い

弁護士も司法書士も法の専門家ですが、根本的に異なる点があります。

(1) 司法書士には「代理人」として行動する資格がない
(2) 司法書士に依頼した場合は、破産手続きに費用と時間が多くかかる。

これらを以下において説明します。


(1) 司法書士には「代理人」として行動する資格がない

弁護士は依頼者(会社・経営者)の「代理人」として破産手続きに関して行動ができます。
つまり、破産申立時の裁判所での面接には(東京地裁の場合)タキオン法律事務所の弁護士が出頭し、依頼者は出頭する必要がありません。
また、破産管財人との面接や裁判所での債権者集会にもタキオン法律事務所の弁護士が立ち会うことができます。さらに、債権者・従業員の対応の矢面にも立ちます。

これに対して、司法書士は、「代理人」として破産手続きを行うことは許されておらず、裁判所に提出する書面作成などができるだけです。
つまり、会社の自己破産手続きにおいて弁護士に依頼する最も大きなメリットである「代理人」として裁判所に出頭したり、債権者や従業員の対応の窓口となったりすることができません。

よって、会社破産手続きにおける重要な部分は全て依頼者自身が行わなければなりません。
会社の自己破産という大きなストレスを抱えている状況で、依頼者がそのようなことを自身で全て半年以上に渡って行わなければならないデメリットは図り知れません。


(2) 司法書士に依頼した場合は、自己破産手続きに費用と時間が多くかかる。

東京地方裁判所においては、会社の自己破産手続きの場合は管財事件となり、司法書士に依頼した場合は裁判所へ支払う予納金が最低でも70万円以上となり、手続も複雑になります。

これに対して、弁護士に依頼した場合には、少額管財手続となり裁判所へ支払う予納金は20万円で済み、手続も簡略化されています。

また、東京地方裁判所においては、弁護士が代理人となっている場合に限り「即日面接」という制度を設け、破産申立時に直ちに裁判所で裁判官と面接ができます。その他手続きも簡略化されています。

これに対して、司法書士に依頼した場合には、即日面接のような制度がなく、手続きも簡略化されていないため、自己破産申立から手続き終結までさらに数ヶ月の時間がかかることになります。


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2012.11.07 | | ■会社の自己破産

中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針等について

平成24年11月1日 金融庁

金融担当大臣談話-中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針等について-

http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/2012/20121101-1.html


〔中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針〕

1.中小企業金融円滑化法(以下「円滑化法」という。)が来年3月末に期限を迎えるにあたり、借り手の方々や金融機関から円滑化法の期限到来後における金融機関や金融庁の対応について様々なお問合せが寄せられています。金融庁としては、こうしたお問合せに広くお答えするため、今般、円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針について明確に示すことといたしました。今後、あらゆる機会を通じて、このような金融庁の方針の周知徹底が図られるよう努めてまいります。

(金融機関の役割)
金融機関が、個々の借り手の状況をきめ細かく把握し、他の金融機関と連携を図りながら、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきということは、円滑化法の期限到来後においても何ら変わるものではありません。
金融庁としては、円滑化法の期限到来後も、貸し渋り・貸し剥がしの発生や倒産の増加といった事態が生じないよう、引き続き、日常の検査・監督を通じて金融機関に対し、他業態も含め関係金融機関と十分連携を図りながら、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう促してまいります。

(検査・監督の対応)
こうした金融検査・監督の目線やスタンスは、円滑化法の期限到来後も、これまでと何ら変わることはありません。
なお、金融検査マニュアル等で措置されている、中小企業向け融資に当たり貸付条件の変更等を行っても不良債権とならないための要件(注)は恒久措置であり、円滑化法の期限到来後も不良債権の定義は変わりません。
(注)「経営改善計画が1年以内に策定できる見込みがある場合」や「5年以内(最長10年以内)に経営再建が達成される経営改善計画がある場合」は、不良債権に該当しません。
その上で、個々の借り手の経営改善に具体的にどのように密着して取り組んでいるのかについては、検査・監督において従来以上に光を当ててまいります。

(借り手の課題解決)
借り手が抱える経営課題は様々であり、また、そうした課題の解決には相応の時間がかかることは十分認識しています。借り手が引き続き課題の解決に向けて努力していくことは重要ですが、全ての借り手に対して来年3月末までに何らかの最終的な解決を求めるというものではありません。
したがって、金融機関に対しては、自らのコンサルティング機能を積極的に発揮し、それぞれの借り手の経営課題に応じた最適な解決策を、借り手の立場に立って提案し、十分な時間をかけて実行支援するよう促してまいります。

(現場への周知徹底)
以上を踏まえ、金融機関に対しては、こうした金融庁の検査・監督の方針を営業の第一線まで周知徹底し実践するとともに、今後も、更には円滑化法の期限到来後においても当金融機関の顧客への対応方針が変わらないことを個々の借り手に説明するよう促してまいります。


〔「中小企業の経営支援のための政策パッケージ」の推進等〕

2.金融庁においては、円滑化法の最終年度である本年度を初年度として、中小企業の事業再生支援に軸足を移し、貸付条件の変更等にとどまらず、真の意味での経営改善が図られるよう、現在、関係省庁や関係機関と連携し、「中小企業の経営支援のための政策パッケージ」(平成24年4月20日公表)に掲げた施策の推進等に取り組んでいるところです。
具体的には、企業再生支援機構及び中小企業再生支援協議会の機能強化・連携強化をはじめとする中小企業の再生支援に向けた態勢を構築してきており、今後、金融機関においては、借り手の真の意味での経営改善が図られるよう、両機関を積極的に活用することを期待しています。
また、中小企業再生支援協議会においては、事業再生計画の策定支援に加えて、経営課題を抱える事業者からの様々な相談に積極的に応じており、最適な解決策の提案や専門家の紹介等を行う相談機能の充実に取り組んでいます。更に、企業再生支援機構による中小企業再生支援協議会や金融機関への支援も強化されています。借り手の方々におかれては、中小企業再生支援協議会や取引先金融機関に、経営課題やその解決策等について積極的にご相談頂くことを期待しています。

以上


2012.11.01 | | ■会社の自己破産

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