経営者/個人破産ではなく個人再生を選択する理由

個人破産とは異なり、個人再生では債務はゼロにはなりません。
にもかかわらず、個人破産ではなく個人再生を選択するのは、以下の理由によります。


■1.自宅(持ち家・分譲マンション)を残したい

個人破産の場合は資産を処分する必要があるため、(賃貸でない)自宅を失うことになります。
これに対して、個人再生の場合は自宅を残すことができます。住宅資金特別条項により住宅ローンだけは全額返済して、その他の債務のみをカットするからです。


■2.資格制限を回避したい

個人破産をすると一定の資格が一定期間(約3~4ヶ月間)制限されます。主なところでは、保険外交員、警備員、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱管理者、証券外務員などがこれに当たります。
これに対して、個人再生ではこのような資格制限がありません。


以上のように、住宅を残したい方、職業上の資格制限を避けたい方が、個人破産ではなく個人再生を選択することが多くなっています。


※個人再生には個人破産における免責不許可事由の該当するものがないというのも両者の違いの1つです。しかし,個人破産では免責不許可事由があっても裁量免責が認められるのが一般なので,それほど大きな違いとはなりません。


※時々、「破産のイメージが嫌だ」という理由だけで個人再生を選択したいという方がいらっしゃいます。しかし、個人破産と個人再生のいずれを選択してもその事実が戸籍・住民票・身分証明書に記載されたりすることはありませんし、選挙権もなくなりませんので、あくまでイメージの違いのみということになります。住宅を残したい、資格制限を避けたい、という理由以外では個人再生ではなく個人破産を選択した方が、経営者の方の生活を再出発する意味では明らかに有利となります。


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2012.09.28 | | ■個人の自己破産

経営者/個人再生とは?

個人再生とは、個人債務者の返済負担の圧縮と返済計画の立案とを支援する法的整理手続きです。

※個人再生手続きには、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」がありますが、後者は使い勝手がよくなく、返済額も高額になりがちなため、ここでは一般的に利用される「小規模個人再生」について述べます。


「債務の圧縮」ですから、個人破産とは異なり、債務はゼロにはなりません。
例えば、会社の債務額が4,000万円でその全額につき経営者が連帯保証をしている場合、その連帯保証分の返済額は400万円になります。この400万円というのは、最低弁済基準によって決まります。


債務額         最低弁済額
~100万円        債務額そのまま(0~100万円)
100万円~500万円              100万円
500万円~1,500万円   債務額の2割(100~300万円)
1,500万円~3,000万円            300万円
3,000万円~5,000万円  債務額の1割(300~500万円)


上記例では、(連帯保証分の)債務額が4,000万円ですので、「1割」で400万円ということになります。
さらに、例えば、連帯保証債務4,000万円の他に経営者の方が個人的に消費者金融会社や親戚から600万円の借金をしている場合、4,600万円の「1割」の460万円を返済することになります。


※住宅ローン債務を除いた債務額が5,000万円を超える場合、個人再生手続きは利用できません。


※上記債務額には住宅ローン残債務を含みません。住宅ローンは全額返済していく必要があります。例えば、住宅ローンの残債務額が3,500万円、その他の債務(会社の債務の連帯保証分や消費者金融の債務)が4,000万円あり、 持ち家は残したいが、債務4,000万円全額を返済できる見通しが立たない場合、住宅ローン残債務3,500万円についてはそのまま全額支払い続け(または、リスケジュールにより期限を延長して毎月の返済額を少し減らして全額を支払い続け)ながら、その他の債務4,000万円については400万円のみを3年~5年の間に返済することで残額3,600万円は免除してもらうというのが個人再生手続のイメージです。


※個人再生には、清算価値保障原則というものがあります。これは、再生計画に基づく弁済総額は、破産の場合の配当額(清算価値)を上回るものでなければならないという原則です。例えば、先の例のように(住宅ローン残債務額を除いた)債務が4,000万円の場合、最低弁済基準による返済額は400万円になります。しかし、個人再生手続開始決定の時点で債務者が持っている資産(現金・預貯金・保険解約返戻金・自動車など)が500万円あったような場合、最低弁済額の400万円ではなく500万円を返済しなければなりません。


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2012.09.24 | | ■個人の自己破産

経営者/個人の自己破産/非免責債権

以下の債権は、「非免責債権」と言って、個人の自己破産手続きによっても免責はされません。

※これらのうち、最も多いのは「(1)租税等の請求権(つまり滞納税など)」です。
固定資産税、住民税、軽自動車税、国民健康保険税などの税金を滞納している場合、これら滞納税については自己破産しても免責されません。
ただ、例えば住民税を滞納している場合、督促状や滞納通知を送付してきた市役所や区役所の担当部署に事情を説明すると、多くの場合は分割払いに応じてくれます。

(1) 租税等の請求権

(2) 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

(3) 破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権

(4) 夫婦間の協力・扶助の義務にかかる請求権

(5) 婚姻費用分担請求権

(6) 子の看護に関する義務にかかる請求権

(7) 扶養の義務にかかる請求権

(8) 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権および使用人の預り金返還請求権

(9) 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(債権者が破産手続開始決定のあったことを知っていた場合は除く)

(10) 罰金等の請求権


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2012.09.20 | | ■個人の自己破産

経営者/個人の自己破産/免責不許可事由

個人の自己破産の場合、「免責不許可事由」というものが定められています。
免責不許可事由に該当した場合は免責(債務の帳消し)が認められないことがあります。

(ただ、現実には、よほどの悪質な財産隠しがあるような場合を除いて、裁判所の裁量によって99%の個人破産手続きで免責が認められます。)

(1) 浪費または賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと

(2) 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、または信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと

(3) 特定の債権者に特別の利益を与える目的または他の債権者を害する目的で、債務者の義務に属しない担保の供与または債務の消滅に関する行為をしたこと

(4) 破産手続開始の申し立てがあった日の1年前の日から破産手続開始決定があった日までの間に、他人の名前を勝手に使ったり、生年月日、住所、負債額および信用状態等を誤信させて、借金など信用取引をしたこと

(5) .過去7年内に免責決定の確定、給与所得者等再生における再生計画の遂行、ハードシップ免責決定があったこと

(6) 商業帳簿等の隠蔽、偽造または変造があったこと

(7) .虚偽の債権者名簿を提出し、説明義務違反、重要財産開示義務、免責調査協力義務違反があったこと

(8) 債権者を害する目的で、破産財団に属する財産の隠匿、損壊、不利益な処分その他価値を不当に減少させる行為をしたこと


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2012.09.16 | | ■個人の自己破産

経営者/個人の自己破産/質問いろいろ

質問「家族に知られずに個人の自己破産はできますか?」

回答「ご家族が依頼者の方の保証人などでない限り、ご家族に知られずに個人の自己破産ができることもあります。」

***

質問「自己破産手続きが終わるまで他の会社で働くことはできないのですか?」

回答「問題なく働けます。」

***

質問「自分が個人の自己破産をしても、妻に借金の請求がいくのでは?」

回答「奥様が保証をしている場合は奥様も請求されますので、奥様も一緒に自己破産する必要があります。それは離婚をしても同じです。奥様が保証をしていない場合は請求されません。」

***

質問「自己破産したことは戸籍・住民票・身分証明書に記載されますか?」

回答「されません。官報には掲載されますが、業者などでない限り官報を見る一般市民はいません。」

***

質問「選挙権を喪失しますか?」

回答「しません。」

***

質問「自己破産をすると、会社の取締役にはなれないのですか?」

回答「従来は株式会社の取締役の欠格事由として破産がありましたが、2006年以降この制限はなくなりました。ですので、破産しても『数ヶ月間取締役になれない』ということはありません。ただ、民法上は依然として破産が委任契約の終了事由となっていることから、破産により取締役をいったんは自動的に退任することになり、その後株主総会で選任される必要があります。 この点で、会社の自己破産と経営者個人の自己破産を同時に申し立てる場合、『他の会社の取締役にもなっていて、そちらの取締役は続けたい』という場合には個人破産を避けて個人再生を選択する必要があります。」


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2012.09.12 | | ■個人の自己破産

経営者/個人の自己破産/自由財産

個人の自己破産をした場合でも、全ての財産が処分されるわけではありません。
以下のものは「自由財産」としてお手元に残すことができます。

(1) 99万円以下の現金
(2) 残高20万円以下の預貯金
(3) 見込額20万円以下の保険解約返戻金
(4) 処分見込額20万円以下の自動車・バイク
(5) 居住用家屋の敷金債権
(6) 電話加入権
(7) 支給見込額8分の1相当額が20万円以下である退職金
(8) 支給見込額8分の1相当額が20万円を超える退職金の8分の7相当額
(9) 家財道具
(10) 差押えを禁止されている動産・債権

※(1)の「99万円以下の現金」ですが、それ以上の現金や生命保険解約返戻金などがあるような場合で、例えば破産者が重度の病気で入院しているなどの特殊な事情がある場合は、99万円以上の資産をお手元に残すことができることもあります。
これを「自由財産の拡張」と言います。

なお、上記(1)~(10)は「破産手続開始決定時点」の資産です。ですので、例えば「破産手続開始決定の後」に得た給料・収入などの現金は、99万円を超えるかどうかに関係なく、すべてお手元に残すことが可能です。
(極端な話をすれば、破産手続開始決定の翌日に1億円の宝くじが当選した場合でもその1億円はお手元に残すことができます)


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2012.09.08 | | ■個人の自己破産

東京地裁/会社破産の申立件数

1989年  111件
1990年  145件
1991年  253件
1992年  408件
1993年  390件
1994年  462件
1995年  487件
1996年  542件
1997年  673件
1998年  890件
1999年  727件
2000年 1356件
2001年 2106件
2002年 2834件
2003年 2676件
2004年 2508件
2005年 2434件
2006年 2421件
2007年 2750件
2008年 3178件
2009年 3525件
2010年 3228件
2011年 2909件


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2012.09.04 | | ■会社の自己破産

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